◆メンブレンダイナミクス研究グループの講演
日時: | 2005年4月14日(木) 16:00〜 |
場所: | 構造棟大セミナー室 |
演者: | 清水哲哉 (メンブレンダイナミクス研究グループ・速度論的結晶学研究チーム) |
演題: | エンドポリガラクツロナーゼの超高分解能X線結晶構造解析および中性子結晶構造解析 |
要旨: | 速度論的結晶学研究チームでは,反応過程におけるタンパク質の動きを捉え, タンパク質の分子装置の仕組みを詳細に解明することを目標として,速度論的 結晶学の研究手法の開発とその利用研究を行っている。その一つとして、超高 分解能X線結晶構造解析や中性子結晶構造解析によって得られる、酵素の水素 原子を含めた精密構造に基づいた触媒機構の解明を試みている。本研究の対象 である酵素エンドポリガラクツロナーゼ(endoPG)の反応は一般酸塩基触媒に よる酵素、基質、水分子間での水素(プロトン)の授受が反応の中心をなすと 考えられている。我々は、endoPGおよびその生成物ガラクツロン酸との複合体 の構造を1.0 Åを超える分解能で決定し、その触媒機構について初めて知見を 得た。さらに、より高分解能での解析を目指して測定条件を検討した結果、0.7 Åを超える分解能のデータ収集に成功した。また、中性子結晶構造解析におい ても1.5 Å分解能でのデータ収集に成功している。講演では、我々が行ったこ れらの解析で得られた結果だけでなく、その解析を可能とした結晶化やデータ 測定の実際について紹介する。 |
連絡先:RMF世話人まで(城生体金属科学研:菊地 PHS3360) |